イケメンくんは地味子に夢中
「ここだけど」

「え……」

「隣なの?部屋」

「なんかそうみたいですね……」

「ふーん」



隣かよ、よっしゃ!と叫びたい気持ちを抑え、そっけない返事をした俺。



「えっと……じゃあわたしはこれで……」



その返事を聞いてか、そろーっと部屋に入ろうとする凜花。



「なぁ」

「はい?」



とっさに呼び止めたのは良いものの、ここで幼なじみだと言うのはやっぱり違うな、と思い



「お前、RINだろ」



と言ってしまった。



「えっとー……なんのことですか?わたしは凜花ですけど……」

「ちげーよ。元アイドルのRINだって言ってんの。島田凜花だってことは知ってる」



あわあわし始めた凜花を見て、言わなければよかったなと思い始める。

RINの熱狂的なファンじゃないけど、俺は昔から島田凜花の大ファンだ。

間違えるわけがない。



「ひっ人違いですっ」



そう言った凜花はバタバタと慌ただしく部屋に入ってしまった。

その姿を見て俺はまた、かわいいなと気持ちの悪いことを思う。



「あーあ、早く思い出してくれねーかな」
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