らんらんたるひとびと。~国内旅編~
 距離を置かれている…自分が勝手に思い込んでいたのかもしれない。
 ホムラさんとシナモンを見ていると、きちんと面と向かって話さないのが原因ではないかと気づいた。
 白雪姫は、持ち前の性格で、明るく調子に乗りながら鈴様やホムラさんにちょっかいだして全部スルーされているけど。

 お風呂から戻って来た、白雪姫と鈴様が肩を組んで帰ってきたときにはぎょっとした。
「いやあ、鈴ちゃんは真面目すぎて面白くないねえ」
「おまえのような不届き者がいるから世の中、腐るのだろ」
「おいらみたいなのだけじゃないよ、世の中には。色んな人間と出会わなきゃ、お父さんに怒られちゃうよ~」
 まず、どういう流れで肩を組んでいるのか。
 お酒は飲んでないようだけれど。
 ジェイにこっそり訊くと。
「旅をするなら肩を組まなきゃ駄目だって白雪姫が冗談で言ったら、ボンボンが真に受けた」
 とげっそりとした表情で言った。

 白雪姫とシナモンって、本当に明るくて人見知りしない子だと思う。
 重たかった空気は、少しずつ明るくなっている気がする。
 ギスギスとした空気が、穏やかになって。
 全員、仲良く笑うっていうのは無理なのかもしれないけど…

 就寝時になって、鈴様が「ベッドは?」と訊いてくるのでギクリとしたけど。
 ホムラさんが「まさか、鈴様は布団で眠れないほど愚かじゃありますまい」と、とんでもない発言でいいくるめたので、大人しく鈴様は布団に入った。
 旅に出る前に、ドラモンド侯爵から注意されているんだろうなあ~。
 とはいえ、文句や小言は止まらないけど。

 シナモンの隣に布団を引こうとした白雪姫に飛び蹴りを入れて。
 シナモン・私・ジェイという布団の並びになった。
 ジェイが隣になったのは、完全なる消去法からだ。
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