鮫島先生は今日もズルい

「何で呼ばれたかわかる?」

「……はい」


それは紛れもなく、GW明けにあった学年テストのことだと思う。


それぞれ個々の学力を把握する為に、中3までをテスト範囲にした、1年生のみが行われる鬼畜な学年テスト。


思い出しただけでため息が出るくらい、テスト範囲が広すぎて超無謀だった。



あたし……数学の点数悪かったからなぁ。



「やっぱテスト?」


山田くんはさほど気にしてないのか、意外と普通な態度。


「そう。お前ら2人もう少し頑張らないと」


うっ……。

やっぱりか。


「とくに山田、お前の点数は酷すぎるぞ。ちゃんと勉強したのか?」

「いやー……範囲広すぎて……」

「……何点だったの?」

「52点」

「えっ……」


アハハと笑う山田くんに、あたしの目は点になった。


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