君にキュンして恋をした

綾斗side


【綾斗side】

「……っ」

目が覚めると真っ白な天井が目に入った。

薬品臭い……。保健室か……?
少し薄暗い保健室……。
俺はベッドの上で仰向けに寝かせられていた。
頭には氷嚢が乗っている。

あ、そうだ。俺……リレーで負けて……。
ボー、とする頭が負けたことを思い出す。
悔しさだけが鮮明に湧き上がってきた。

体調が悪いなら誰かに代わってもらえばいい。

けど……
走りたかったんだよな……ちゃんと。

だって……
片瀬さんの【ハピラブ】……3巻…。
茶ノ宮が体育大会で
アンカーやってるシーン。付箋ついてた。
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