夢見る夢子は、元アイドルに運命を感じてしまいました!
わぁっ!



靴のことを考えてたら、不意にベンチに振動が走って…
見ると、若そうな男性がベンチに座ってうなだれていた。



少し先には別のベンチもあるのに、なぜ、私の横に?
まぁ、私も端っこに座ってたから座りやすかったのかもしれないけど。



とりあえず、私は退散しよう。
早く靴を買いに行かなきゃ。



「わっ!」



そう思った途端、男性の体がゆっくりと倒れてきて、私の肩に頭を乗せた。



「あ、あの……」

「……少しだけ寝かせて。」

「え、は、はい。」

私は咄嗟に、はいと言ってしまった。
なんで断らなかったんだろう。
私は靴を買いに行かなきゃならないのに。
そっと、隣を見てみる。



(わ、意外とイケメン…)



わくわくしながら、もう一度…



(わっ!私の好きなタイプの顔だ。
まつ毛が長いな…あれ?
この人、誰かに似てる?
なんか見たことあるような…
えーっと、誰だっけ?)



考えるけど、思いつかない。
とりあえず、今までの彼氏ではない。
じゃあ…同級生?
いやいや、こんなかっこいい同級生はいなかったよ。
いたら、絶対好きになってる。
じゃあ、バイト先?
仕事関係?違うなぁ。
どんなに考えても、思いつかない。



(あ…もしかしたら…)



夢の中で会った人とか、前世で恋人だった人とか?



ってことは、もしかしたら、この人…私の運命の相手なんじゃあ…きゃあ~!?
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