冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
「そこでですよ……。もし気になるのであれば、誘ってみていかがです? セシリー嬢を」
「正気か!? 俺の頬をひっぱたくような女だぞ!?」
リュアンは机を叩き強く抗議した。あの様子だと、セシリーが自分に反感を抱いていることは間違いない。まだ知らない女性に声を掛ける方がたやすいのではないかと腑に落ちない表情のリュアンに、キースは人差し指を立てて胡散臭い笑みを浮かべた。
「いやいや案外、向こうも気にして謝るきっかけを探していたりするかもしれません。調査する必要があるのだったらいいじゃないですか、この際お近づきになってしまえば。もし彼女が例の人物なら一気に厄介事を片付けられる可能性もありますし、どうせ他に意中の相手もいないんでしょう?」
何でも見透したような彼の顔には腹が立つが、合理的な選択と言えなくもない。なにも男女の間柄まで発展させる必要はなく、あくまで協力者として支援を募るだけだと渋々自分に言い聞かせ、リュアンはキースの提案を受け入れることにする。
「駄目で元々か。わかった、明日時間を見繕って様子を見にいく。お前も来い」
「ふ~む、年長者に対する口の利き方がなっていませんねぇ。どうしたものかな~」
「ぐっ……頼む、い、一緒に来てくれ」
「正気か!? 俺の頬をひっぱたくような女だぞ!?」
リュアンは机を叩き強く抗議した。あの様子だと、セシリーが自分に反感を抱いていることは間違いない。まだ知らない女性に声を掛ける方がたやすいのではないかと腑に落ちない表情のリュアンに、キースは人差し指を立てて胡散臭い笑みを浮かべた。
「いやいや案外、向こうも気にして謝るきっかけを探していたりするかもしれません。調査する必要があるのだったらいいじゃないですか、この際お近づきになってしまえば。もし彼女が例の人物なら一気に厄介事を片付けられる可能性もありますし、どうせ他に意中の相手もいないんでしょう?」
何でも見透したような彼の顔には腹が立つが、合理的な選択と言えなくもない。なにも男女の間柄まで発展させる必要はなく、あくまで協力者として支援を募るだけだと渋々自分に言い聞かせ、リュアンはキースの提案を受け入れることにする。
「駄目で元々か。わかった、明日時間を見繕って様子を見にいく。お前も来い」
「ふ~む、年長者に対する口の利き方がなっていませんねぇ。どうしたものかな~」
「ぐっ……頼む、い、一緒に来てくれ」