冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~

魔法のオルゴール

 ルバート救出後騎士団に戻ると、キースは団員に指示を出して護衛に付け、彼らを家まで送らせた。幸い助け出したルバートに外傷はなく、少し休めばすぐ仕事に復帰すると息巻いていた。

 セシリーはふたりが一緒に仲良く帰ってゆくのを見て安心した後、キースに今日は帰って休むよう伝えられ、礼を言って職員控え室に顔を出す。

 そこでは少しだけ呆れ笑いを浮かべたロージーがセシリーを迎えてくれた。

「いつもごめんなさい、ロージーさん」
「ま、いいわよ。人助けもこの騎士団の立派な仕事なんだから」

 いつも仕事を途中で放り出して大迷惑だろうに……。それ以上何も言わずロージーはセシリーを少し待たせ、任務帰りで部屋で書類仕事をこなしていたリュアンまで呼んで来てくれた。

「送って行ってあげなさいよ。このお姫様、なにかとトラブルに巻き込まれやすいんだから」
「……わかってる。それじゃ行くか」
「あ、ありがとうございます」
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