冴えない令嬢の救国譚~婚約破棄されたのちに、聖女の血を継いでいることが判明いたしました~
 そして何よりも有難かったのは、なんとレオリンとフレアが何度か店内を回り、王室にも信用されていることをアピールしてくれたこと。これが噂になれば、クライスベル商会に攻撃を仕掛けようという者は滅多なことでは現れまい。

 今店内には、少し物々しい甲冑姿の騎士たちが見られる。これは偽イーデルの言うがままにリュアンを罷免する計画に加担しようとしていたと正騎士団の面々が、直々にリュアンに謝罪に来た後オーギュストに協力を申し出たことによる。

 彼らはこれ以上の責任の追及をなんとしても逃れたいらしく、しばらくは商会付近と店内の警備を請け負ってくれる様子だった。

「安心安全のクライスベル商会です~! 只今絶賛大売出し中ですので、奮ってご来店ください! 皆様の生活に寄り添うため、今後も鋭意努力を続けていきますので、クライスベル商会を、どうかよろしくお願いいたしま~す!」

 掛け声と共に街頭でセシリーは一生懸命広告を配る。
< 651 / 799 >

この作品をシェア

pagetop