私の幸せな身籠り結婚
Mission0 優雅なお見合い


「お初にお目にかかります。子規堂 七海(しきどう ななみ)と申します」


私、子規堂七海は、努めて華麗に、そして優雅で優しい雰囲気を保って、深く、お辞儀をした。


これからどうなろうとも、今は今、やるべきことを果たすだけ。


長年(つちか)ってきた抜群の演技力で、真実を隠すことが出来ている。我ながら上出来だ。


「七海さん、お顔を上げてください。俺は、氷織 颯霞(ひおり そうか)と申します。よろしくお願いします」


あちらも、本音ではない。演技をしているのがこちらにバレバレだ。


「はい」


国内最高の軍隊を率いる隊長だと言っていたものだから、もっと厳格なお方なのかと思っていたわ……。


七海の婚約者、氷織颯霞は想像していたよりもずっと、ほんわかとした優しい人だった。


紺色の着物に藍色の羽織を着ていた。それはどこかの童話に出てくる若旦那様のように美しい。


なんだか、拍子抜けね……。

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