私の担当医。

結局お寿司屋さんを出て
そのまま車でわたしの家に来た。

仕事の用意
メイク道具
スキンケア道具
着替え
ドライヤー
アイロン...
あの部屋に何があるか把握できてないわたしはキャリーバッグに入るだけ物を詰め込んだ。


「荷物持つよ」

わたしの部屋から車まで重たいパンパンのバッグを持ってくれた。
すごく重たいはずなのに文句ひとつ言わず。

病院外での普通の優しさが
大好きでたまらなかった

「先生...?」

「ん?」

ダメダメ。
先生の中でのわたしは患者の1人に過ぎないんだよね

「なんもない...」

「体調わるい?」


ほらやっぱり医者だ...


「大丈夫。」

「行こう」

優しさに惑わされて病院に戻ってしまった

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