そして消えゆく君の声
「十回目の誕生日おめでとう。一つお兄さんになった□□にプレゼントを贈ります。

 最初の予定では先月中に手に入れているはずだったんだけどなかなか同じものが見つからなくて、今この手紙を書いているのは誕生日の一日前です。

 出かけてばかりで□□にはさびしい思いをさせてしまったね。


 今さらこんなことを書くのもおかしいかもしれないけど、僕は□□がそばにいてくれるから、毎日がんばれるんだと思っています。

 つらい時も□□のことを考えると笑顔になれます。

 □□もそう思ってくれていたらいいんだけど、僕はいいお兄さんでいられているかな。


 □□は、僕の世界で一番大切な弟です。


 だから生まれてきてくれてありがとう。そして、これからもよろしく。

 
<追伸>夏休みにはホタルを見に行こうね。今度、どこに行くか相談しよう」
 
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