そして消えゆく君の声

挿話 流星群1

 流星群を見ようと思い立ったのは、屋上へと続く階段を上る道すがらだった。



 今夜はしし座流星群の極大日だと夕方のニュースが報じていたし、時刻も天気も観測には申し分ない。

 少し予定が遅れてしまうけれど、どうせ急ぎの用ではないのだし構わないだろう。


 そんな風に考えながら事前に解錠しておいた扉を開くと、澄んだ秋の空が頭上に広がっていた。
 
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