おいらんっ道中らナイス!
別離
 あばら家で。

母親と、

弟と妹。

そして、忍という身内のみの、

寂しい父親の通夜が行われている。



 母親は突っ伏して泣き崩れ、

その傍らでは

妹がえんえんと泣き声をあげ。



 かろうじて、

正座出来ている弟も、

すすり、泣いていた。



 同じように、

忍も

正座をしていたがー。



 膝のうえ



堅く握った拳を、震わせ。

真っ赤な頬っぺたに、

涙を溜めて。



一点をみつめ

それでも無理やり口角を上げ、

笑ったような顔をしてたのは。





途方にくれていたのである。





 それから

しばらく経った、

ある日。





 忍が、

庭で洗濯をしているとふらりと

母親が近づいてきた。



 それに気付いた忍は、

微笑みかけたが、

母親は黙ったままなので、

そのまま二人は、

暫く無言で見やった。



 少しして

なにやらボソボソと、

母親が、話し出した。



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