おいらんっ道中らナイス!
 しばらく

その様子を、足を留め

旦那さんは聞いていたが。



通りかかった仲居に、

「あのこは
 いつも明るいねぇ

 でも

 いつも、
 泣き笑って、いるね。」

と、告げた。

ニッコリと笑う旦那さんに

仲居は大きくうなずいた。





 そんなある日

忍は又、

女将さんに呼びだされた。



「ーはあ?」







 とても、よく晴れた一日。



 遊廓の前に。

旦那さんに付き添われた、
こざっぱりとしたなりの、忍が、
いた。



忍は、女将さん

番頭さん仲居さんらに

丁寧に頭を下げ。



別れ際、



「女将さん

 あたしっ

 絶対においらん道中ら、ないす!」



言って。



すっきり笑った。







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