シンデレラ・ウェディング


「莉央、キスしていい?」


「えっ・・・」


急なことでわたわたしていると、


「莉央、お願い」


「わ私・・・その初めてで・・・」


「うん。初めてじゃないと困る」


「下手くそかもしれない・・・」


「へぇ、キスに上手い下手があるの知ってるんだ?」


あおくんが楽しそうにニヤッと口角を上げた。

そんな顔すら悔しいくらいにかっこいい。


私の顔は真っ赤に茹で上がった。


「ハハッ、ごめん。莉央可愛すぎ。もう無理だ」


そう言った次の瞬間には唇に柔らかい感触があった。


驚きで瞬きを繰り返していると、それはゆっくりと離れた。


心臓はうるさいくらいにドキドキ鳴っていて、顔の熱は益々上がっている。


「んー全然足りないな。もう1回いい?」


返事をする前に2回目は降ってきて・・・


優しく啄むように何度も何度も・・・。


明るい太陽に見守られ、大人になった私たちは初めてのキスをした。


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