初恋の彼の極秘任務!?
「あっそ。ってか、やっとしゃべったな」
「えっ?」
「なんでもねぇよ。いいから早く立って、そこどいて」
「あっ、ごめんね!」

 私は言われた通り、すぐに立ってその場からどいた。
 もう少し言い方ってものがありそうなものなのになぁ。
 大和くんは上履きにはきかえると、さっさと教室へ行ってしまった。


 教室に着くと、すでに大和くんのまわりには女の子たちの群れができあがっていた。
 ほんとみんな、よく飽きないね。
 すると、今度は廊下のほうから悲鳴にも似た黄色い声がわきあがった。

「キャーッ! 陸斗くーん!」
「こっち向いてー!」

 今度は何!?

 でも私は特に興味もなかったため、その黄色い声のほうには見向きもしなかった。
 きっとまたイケメンでもいるのだろう。

< 9 / 113 >

この作品をシェア

pagetop