契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
パーティを中座して手洗いを済ませた楓は一旦控え室に戻る。パーティはもう終盤に差し掛かっている。
後はゲストの見送りをしてくれればいいから、三十分後に戻ってくれればそれでいいと和樹から連絡が入ったからである。
控え室にはさきほどの美容師がいて、楓のメイクと髪を整えてくれた。
「あなたはもういいわ、さがって」
黒柳の言葉に、美容師が部屋を出ていく。ドレッサーの前に座る楓に向かって、彼女は腕を組み尋ねる。
「なにか飲まれます? 奥さま」
楓などに丁寧に接するのは不本意だという気持ちを一ミリも隠そうとはしていない。本当は冷たい水が欲しかったが、楓は首を横に振った。
「大丈夫です」
「そうですか」
彼女はそう言って一旦沈黙する。休憩してこいと和樹は言ったが、この調子なら戻った方がよさそうだ。楓がそう思った時。
「珍しいだけよ」
黒柳が呟いた。
「え?」
「副社長に愛されているように感じるなら、それは珍しいと思われているからよ、って言ったの」
唐突に、攻撃するような言葉を口にして彼女は鏡越しに楓を睨んだ。
「パリで活躍するフランス人ジュエリーデザイナー、イタリア人モデル、外交官の娘、旧財閥のご令嬢」
突然、関係のない言葉をあげはじめる彼女に、楓はわけがわからずに黙り込む。
黒柳がにっこりと笑った。
「皆、副社長の元カノよ」
その言葉に、楓は目を見開いて息を呑む。
『女性とは嫌というほど付き合ったよ』
いつかの日に彼が口にした言葉が頭に浮かんだ。
見た目だけでなく実力と社会的地位を兼ね備えた、完璧ともいうべき彼なのだ。相手には苦労しなかっただろうとは思っていたが、これほどまでに華やか相手ばかりだと思わなかった。
なにも言えない楓を黒柳が馬鹿にしたように見た。
後はゲストの見送りをしてくれればいいから、三十分後に戻ってくれればそれでいいと和樹から連絡が入ったからである。
控え室にはさきほどの美容師がいて、楓のメイクと髪を整えてくれた。
「あなたはもういいわ、さがって」
黒柳の言葉に、美容師が部屋を出ていく。ドレッサーの前に座る楓に向かって、彼女は腕を組み尋ねる。
「なにか飲まれます? 奥さま」
楓などに丁寧に接するのは不本意だという気持ちを一ミリも隠そうとはしていない。本当は冷たい水が欲しかったが、楓は首を横に振った。
「大丈夫です」
「そうですか」
彼女はそう言って一旦沈黙する。休憩してこいと和樹は言ったが、この調子なら戻った方がよさそうだ。楓がそう思った時。
「珍しいだけよ」
黒柳が呟いた。
「え?」
「副社長に愛されているように感じるなら、それは珍しいと思われているからよ、って言ったの」
唐突に、攻撃するような言葉を口にして彼女は鏡越しに楓を睨んだ。
「パリで活躍するフランス人ジュエリーデザイナー、イタリア人モデル、外交官の娘、旧財閥のご令嬢」
突然、関係のない言葉をあげはじめる彼女に、楓はわけがわからずに黙り込む。
黒柳がにっこりと笑った。
「皆、副社長の元カノよ」
その言葉に、楓は目を見開いて息を呑む。
『女性とは嫌というほど付き合ったよ』
いつかの日に彼が口にした言葉が頭に浮かんだ。
見た目だけでなく実力と社会的地位を兼ね備えた、完璧ともいうべき彼なのだ。相手には苦労しなかっただろうとは思っていたが、これほどまでに華やか相手ばかりだと思わなかった。
なにも言えない楓を黒柳が馬鹿にしたように見た。