契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
『楓はもう二十七か、早く結婚せんともらい手がなくなるぞ』

『やっぱり女の子を東京になんかやるもんじゃないね。キャリアやらなんやら言ってるうちに、子供も産めなくなっちまう』
 
価値観が違うといえばそれまでだが、それにしても腹立たしい。
 
中にはどこそこの息子を紹介するとか、見合い話を持ってきたなどと言う者もいた。が、楓は絶対に頷かなかった。

彼らと同じような考えの男性と結婚して、母や叔母たちのように夫の顔色を伺いながら自分のやりたいこともできない一生を送るなんてまっぴらだ。
 
地獄のような宴会が終わり、親戚たちが帰った後はもっと最悪だった。

楓の未婚について親戚たちから散々言われた父親の機嫌がすこぶる悪かったからである。
 
弟の透もまたしかりだった。どうやら彼には結婚を考えている彼女がいるようだ。
 
でも父は順番でいけば楓が先だと言って彼の結婚に頷かないという状況で、せっかく親戚が持ってきた見合い話をあっさりと断った楓に腹を立てていた。

『最近、そのせいで彼女と喧嘩ばかりなんだぜ。姉ちゃんのせいだからな! 贅沢言ってうかうかしてたら見合い話だってあっという間になくなるよ!』
 
封建的な考えの父親を説得できない自分のことは棚に上げて暴言を吐いた。
 
父親はもっとめちゃくちゃなことを言った。

『やっぱり東京の大学にやったのは失敗だった。今すぐに仕事をやめて帰ってこい』
 
大学へやったと彼は言うが、費用を出したのは楓自身だ。

女を大学に行かせる必要はない、どうしても行きたければ自分でいけと言い放ち、あとは知らんぷりだったのだ。
 
楓は奨学金を借り、アルバイトで生活費を稼ぎながら自力で大学を卒業した。

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