年下男子は天邪鬼
私の気まずさが伝わったのか
心なしか安斉さんの表情は暗かった。

しかし、何時も爽やかな笑顔で話しかけて
くれる安斉さんが気まずさが伝わったくらいで表情に出すだろうか?

なんだか違和感を感じて
「安斉さん、何かあったんですか?」
私は気遣うように問い掛けた。

安斉さんは私の言葉に言おうか言うまいか躊躇っているようだ。

私は安斉さんを見つめたまま、首を傾げると
安斉さんは悲しい笑みを溢して口を開いた。

「実は先週、宮城が会社で倒れたんだ。」

安斉さんの言葉に私の心臓はドクンと脈を打った。


「なんで..?」

「宮城の母親に重い病気が見つかって
あまり食事を取らないまま仕事をしていたみたいで。」


「それで大地は大丈夫なんですかっ」


「取り敢えず、病院で点滴を打ってもらって今は自宅で休んでる。」
 

私は安斉さんの言葉を聞いてガタッと
勢いよく席を立った。

安斉さんは突然立ち上がった私に
びっくりした表情を浮かべているのが
目に入ったが、そんなことはお構いなしに
私は「行かなきゃ..」と呟くと部長の座っているデスクへと向かった。
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