ヴァンパイアの花嫁
王室という場所は、時代が変わろうと価値観が全く変わらないことも珍しくない。レジーナのオスロ王国の王室もそうだった。

オスロ王国の君主として選ばれるのは必ず男性と決まっている。女性には政治を任せられない、そんな男尊女卑の考えが根強く残っているためである。

王室に生まれた男は幼い頃から国を守るために政治や剣術を学び、十八歳を迎えると王になることができる。だが、王室に生まれた女は王室との繋がりが深い国に親交を深めるという口実で嫁がされる。つまり、オスロ王国の王室にとって女はただの政治の道具に過ぎない。

(男だからとか、女だからとか、そんなの間違ってる!)

レジーナは幼い頃からそんな思いを抱いていた。彼女は城から抜け出すことができる道を偶然見つけ、その道を通って時々城下町などを見ることがあった。そこでは、性別を問わず誰もが働き、協力し合っていたのだ。

「民は皆、男も女も関係なく働いています。平等で対等という考えを持ち、生きています。なのに何故、王室だけはこうなのですか?」
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