ただ…傍にいたいだけ…
「すぐに、私は良一にプロポーズした。
たった一年でも、それが何ヵ月になったとしても………一日でも長く、良一の傍にいたかったから!
大学を辞めて、あの定食屋で働くことにした。
店長に訳を話したら、全面的に協力してくれるって言ってくれた。
もし…仕事中に彼に何かあったら、無条件で帰っていいって言ってくれて……!
良一も、在宅での仕事につくことが出来て、私達は二人で暮らし始めた。
彼、余命一年って言われてたけど、一年半頑張ったんだよ!!
最期まで、口ぐせみたいに言ってた。
“後、一日頑張る!”って。
でも、去年の今日……亡くなった………」

「じゃあ…今日が?」

「うん、命日」

そう言って、花を供えた雛葉。
静かに手を合わせた。
俺も、隣で手を合わせる。

「…………ごめんね、こんな重たい話」

「ううん…」

「でも……琉輝くんには、話さなきゃって思ったの」

「うん」

「…………琉輝くん」

「ん?」

「私の、自意識過剰だったらいいんだけど……
琉輝くん、私のこと、想ってくれてるんだよね?」

「え?
あ…/////」

雛葉の真っ直ぐな視線。
俺は、意を決して告白した。


「━━━━━あぁ、そうだよ!
俺は、雛葉のことが好き!!」


「ごめんね、琉輝くん。
私は、良一しか愛せない。
もう二度と会えなくても、ずっと一人きりだったとしても……
良一以外の人は、考えられない………!」


「雛葉…」




俺は………

何も、言えなかった━━━━━

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