ただ…傍にいたいだけ…
「え……あ…る、琉輝くん!?」

「え━━━━う、嘘……!!?」

雛葉ともう一人の女が、俺を見て固まる。


「雛葉!!
俺を捨てんなよ!!?」

「え?
な、何の話?
ちょっと待ってね。すぐ、準備するから!
ランチ行こ?
琉輝くんも、制服着替えなよ!
わか子も、話はまた今度。
今日は帰って?」

雛葉が、わか子さんをここから出そうと促す。

「雛葉!!」

そんな雛葉に、わか子さんが鋭く睨み付けた。

「な、何?」

「こちらが?
例の?」

「え?あ、うん…
伴場 琉輝くん。◯◯高校の二年生」

「あんた、まさか……
良一さんの“身代わり”にしてんじゃないわよね!!?」

「は!?そんなわけないでしょ!!?
冗談やめてよ!!」

「…………
ねぇ、伴場くん」

「あ、はい!」

「貴方、雛葉の旦那のことは?
どこまで知ってるの?」

「あ、えーと…
同じマンションに住んでて、高校も同じで、ずっと好きで告り続けてて、大学ん時に付き合い出したけど、旦那の余命がわかって結婚したってことです。
一昨年の秋に亡くなったって」

「写真は?」

「え?」

「良一さんの写真、見たことは?」

「ないです。
雛葉、見せてくんなくて」

「………」
わか子さんがバッグをごそごそを漁り、自分のスマホを出した。

操作して、俺に「見て」と言った。
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