君に届け

「おはようございます!」



朝練の用意をしに道場に入る。一年生の私よりも早く来て的付をしている人に近づき、




「おはよーございます、先輩!」



と、大きな声で挨拶。







「、、おはよう。んな大きな声で言わなくてもわかるから。」




眠そうな顔で迷惑げに振り向くのは私が大好きな間宮弦先輩だ。



「先輩、今日は何時に来たんですか?」
「んー、6時半」



「えっ、昨日帰るとき“明日は7時に来る“って言ってたじゃないですか!だから私も7時に来たのに、、」
「、、なんでお前も早く来んの?朝練7時半からじゃん」



そんなの、先輩と二人で話す時間ゲットする以外に理由ないでしょ!
みんなよりも早くきて一人で用意する先輩を眺めつつ、隣で先輩のお手伝いをする。
先輩にとってはなんでもない時間でも、私にとっては1日の中で1番大事な時間なのだ。
((一年よりも早くきてみんなの分も用意してあげるとか、、もう、ほんと好きだ笑






「だって、、先輩と話したいんだもん。」

「俺は引くけどな。」



笑いながら、私が勇気を持って言った言葉を受け流す。
あぁぁぁ、好き。








私も手伝いつつ的をつけ、十分も経たないうちに準備を終わらせた後、先輩は射場に入った。
それを見ながら、自分の用意をして先輩の後ろに待機。









『ギ、、ギギッ、、』


始まった。


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