シンデレラは王子様と離婚することになりました。

すれ違い三角関係勃発⁉

「や……ダメ、大翔……」

 捺美の黒くて艶やかな長い髪がベッドの上で波打つ。

 長いまつ毛に縁取られた大きな瞳が潤み、物憂げに俺を見つめている。

 小さな顔の頬が赤く染まり、透き通るような白い肌は滑らかで弾力がある。

 手を絡め、唇を貪る。抑えきれない欲望をぶつけるように、捺美を強く抱いた――



「……って俺は、なんて夢を見てるんだ!」

 誰もいない部屋で、一人ベッドから飛び起きた俺は声を上げた。

 ハッとして思わず自分の口を手で抑える。

(聞こえてないよな?)

 俺の部屋には誰もいないが、俺の家にはアイツがいる。

 さきほど夢に出てきた女性だ。

 欲求不満もここまでくると、いっそ清々しい。

ベッドに誘うも、見事に断られたので、夢に出てきてしまったらしい。
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