溺愛幼なじみは甘くて強引
「あ、アリス……ちゃん……っ」


隣にいるアリスちゃんの腕をクイクイと引っ張る。だけどアリスちゃんは、さも「鬱陶しい」と言わんばかりに、私が掴む腕を勢いよく払った。


「あなた、まさかこんな奴らにビビってんの?」

「あ、アリスちゃんは……へ、平気なの!?」


するとアリスちゃんは「平気も何も」とポケットから何かを取り出した。

それは黒い袋に包まれていて、何かは分からない。だけどアリスちゃんは慣れた手つきで、それを袋ごと操作した。

カチャ


「私が住んでた場所はね、少し外れると治安が悪い事で有名だったのよ。海外に行ったらね、自分の身を護るのは自分しかないの。

だから――もし私たちに手を出すなら、その体に穴が開くけどいい?」


黒い袋を、銃を持つように握るアリスちゃん。え、本当に、あの袋の中に拳銃が入ってるの!?

だけどアリスちゃんの雰囲気を見る限り「ウソ」とは思えない。男たちも私と同じことを思ったのか、我先にと私達から逃げて行った。
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