溺愛幼なじみは甘くて強引
「大好きなまま離れて、大好きなまま再会出来た。だけど、私の大好きな人と、理央の大好きな人は違っていた。

ずっと昔から、理央は南月の事が好き。

そしてずっと昔から、理央は残酷なくらい優しかった」


アリスちゃんは、さっきの理央を思い出す。「送ってよ」と言ったアリスちゃんに、理央が言った言葉。


――アリスのことは、最初から送るつもりだったよ


「~っ、理央は、ズルい……っ」


私の事を好きでもないくせに、そうやって優しくして、私の心を離さない――


「うぅ~……っ」


ついに歩いていられなくなったアリスちゃんは、その場にしゃがみこんだ。膝の間に顔を埋め、嗚咽を漏らし続ける。


好きだよ、理央。ずっと、好きだったよ――彼女の背中が、そう語っていた。
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