溺愛幼なじみは甘くて強引
「ねぇ太陽、暗いからさ……マンションまで、送ってくれない?」

「! もちろん、いいよ!」


焦った顔から、ニコニコした顔。

忙しない表情の変化に、私も、そして太陽も。どこか心がほぐれた夜。


「太陽、見て。月だよ」

「ほんとだ――月が綺麗だね」

「……その意味、分かってて言ってる?」

「さぁね~」


だけど、同時に。


隣で歩く人の事が気になっちゃって、

妙にソワソワしちゃって――


なんだか落ち着かない、

だけど満たされた、


そんな満月の夜だった。



*アリス*


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