憧れのCEOは一途女子を愛でる
「俺はしつこいから逃げるのはもう無理だよ?」

「なにそれ。私も好きだって言ってるのに」

「じゃあ、俺と結婚しない?」

 永遠に振り向いてもらえないかもしれないと思っていた人が、俺の気持ちに応えてくれた。
 朝陽のようにいきなりプロポーズしてもうまくいく保証はないし、さすがに急ぎすぎだという自覚はある。
 だけどやっと両思いになれたといううれしさから、俺は(はや)る気持ちを抑えきれなかった。

「け、結婚?!」

「俺はあなたしか無理だから。……俺と結婚してください」

 ビックリして目を見開く彼女と至近距離で視線を合わせる。
 俺だって今日プロポーズすることになるとは思ってもみなかった。
 本当なら雰囲気のいいレストランで食事をしながらとか、綺麗な夜景を見ながらとか、いろいろとプランを考えるべきなのだが、今の俺にそんな余裕はない。
 このプロポーズがダメなのだとしたら何度でもやり直すから、頼むからとにかく首を縦に振ってほしいと心から願った。

「えっと……よろしくお願いします」

 この人には手を伸ばしても届かないのだろうと、あきらめようとした時期もあった。
 だからこうして彼女が振り向いてくれて、プロポーズまで受けてもらえるなんて、まるで天地がひっくり返ったような奇跡だ。一生分の運を使い切ってしまったのかもしれないけれど、それでもいい。
 俺は感激して泣きそうになりながら、恥ずかしそうにはにかむ彼女の頭をゆっくりと撫でた。

「ありがとう。これからも変わらず、俺は千春を愛し続けるよ。いい夫になるって誓う」

「こちらこそ。私も全力で朔也を愛していくから」

 “朔也”と下の名前で呼ばれたのは出会ってから一度もなかった。これが初めてだ。
 そんな些細なことでも俺に感動を与えられる人は、目の前にいる彼女ただひとり。

「私たち、すごく遠回りしたね」

「そうだな。でも千春と死ぬまで一緒にいられるんだから、俺は幸せだ」

 頬を赤く染め、照れながらフフッと笑った彼女の表情がこの上なくかわいい。我慢がきかなくなった俺は両手で彼女の頬を包んで唇を奪った。

 この先の人生で、俺は彼女と一緒に暮らし、ふたりで愛を育んでいく。
 思い描いていた夢がひとつひとつ叶っていくのだ。

 なにがあっても絶対に彼女を離しはしない。


――――END.

< 132 / 132 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:278

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
王宮で洗濯係として働く レーナ・アラルースア × エテルノ王国の王太子 オスカー・バルヴィア 伯爵令嬢 菊地 桜和(きくち さわ) × 公爵令息 野宮 煌太郎(のみや こうたろう) 。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。 「君は予知夢を見ることができる。でも、異国の夢に関しては違う」 王宮内で出会った眉目秀麗な男性 あなたは、この国の王太子で…… 「おそらく思い出せる。頼む、どうか思い出してくれ」 私がその昔、恋焦がれた人だった――――
堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました

総文字数/57,617

恋愛(オフィスラブ)101ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
※『あなたのイチオシはどっち?ミニコンテスト「頭脳派 or 肉体派」』で 最優秀賞を受賞いたしました! ありがとうございます♡ *::;;;;::*゚*::;;;;::*゚*::;;;;::*゚*::;;;;::* 『6歳年上のしし座でAB型の男性と結婚すると幸せになれる』 信頼する占い師からそう告げられた その相手こそ、私の“運命の人”―――― *::;;;;::*゚*::;;;;::*゚*::;;;;::*゚*::;;;;::* 占いやスピリチュアルなものが大好き女子 茅田 静珂(かやた しずか) 25歳 × 現実主義でクールなインハウスローヤー 羽瀬川 亜蘭(はせがわ あらん) 31歳 「君が泣くとわかってるから、絶対に見過ごせない」 彼は条件に当てはまらないのに、どうしてこんなに気になるんだろう
表紙を見る 表紙を閉じる
「彼がアンタなんか本気で相手にするわけないんだから早くあきらめることね」 見ず知らずの女性からひどい罵声を浴びせられても この気持ちを消すことはできない どうしようもないくらい、彼が好きで好きで仕方ないから 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 恋する地味女子 花咲 杷子(はなさき わこ)  25歳 × ヘアサロン【サンドリヨン】の経営者であり イケメンカリスマ美容師 折原 快永(おりはら かいと) 28歳 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 もがいても出られない沼なら…… いっそさらに深いところまで落ちてみよう 「自分だけのものにしたくて仕方なかった。ずっと欲しくて欲しくてたまらなかったから」 「快永さんの答え……聞かせてほしいです」 ※短編小説コンテスト「溺愛を超えた執着愛」 最終選考まで残れました。ありがとうございます!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop