Cherry Blossoms〜あなたに想いの花束を〜
「あ、ありがとうございます。本田先生の服もとても素敵です!とってもお似合いです!」

一花は顔を真っ赤にしながら、桜士が着ている白いTシャツとその上に羽織られたネイビーのシャツ、そしてテーパードパンツを褒める。桜士は「新しく服を買ってよかった」と心の中で思いながら、一花にお礼を言う。お互いの服を褒めたら、二人のお出かけの始まりである。

駅の近くに止めてある車まで桜士は案内し、助手席のドアを開けて一花は緊張したようにお礼を言いながら車に乗る。運転席に座った桜士はエンジンをかけ、ハンドルを握った。

今日二人が出かけるのは、隣県に最近オープンしたバラ園である。日本ではなかなか見られない品種が数多く揃えられていると話題になっており、カップルの新しいデートスポットの一つにもなっている。

「この前、伊一(いいち)と一央(いお)が部活の地区大会に参加して、個人戦で優勝と準優勝になったんです!」

「最後は兄弟同士の戦いになったんですね。高校でも剣道部に入ったんでしたよね?」
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