目に視えない私と目が見えない彼

幕明け

焦りまくりな私を見て、何が面白いのかハハッと笑いながら説明してくれた。

「ここ死後の世界では、死んだ後"天国か地獄"どちらに行けるか選別されるんだ。でも、中には特別な人もいる。それがエリート組と呼ばれる人たち」

「・・・・・・私も、そうってこと?」

「そう、エリート組は現世で善人だった人。たくさん良い行い(徳)を積んだ人。つまり、悪いことをせず優良な人生を生きた優等生がエリート組に選ばれるんだ」

「・・・・・・」

「君の場合は、死ぬ予定じゃなかったのに、人を助けて死んじゃったから、それがポイントだろうね」

「なるほど・・・・・」

「エリート組は守護霊代行(しゅごれいだいこう)と呼ばれてる仕事に就くよ。仕事の任期を終えると、労働の報酬として来世は勝ち組の人生が約束されるんだ」

「勝ち組の人生って??」

「芸能人や野球選手、エリート会社員とか世間から勝ち組と言われる親の子供に生まれ変わることを確約される。誰に生まれ変われるか選べるから、1番人気は芸能人や政治家の子供に生まれ変わるのが人気だね」

確かに、芸能人や政治家の子供に生まれ変われたら、お金に困ることは生涯なさそうだなぁ、

それだけで勝ち組ルート確定なのかな。


「前世でたくさん良いことしたから、その分来世も幸せな人生が待ってるってこと」
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