目に視えない私と目が見えない彼
私のために注文されたオムライスは、来衣先輩がすべて食べてくれた。手つかずのオムライスになにか言うわけでもなく「未蘭は少食だな」なんて笑いながら、ぺろりと全部食べた。






お店を後にした私たちは杏子ちゃんと別れて、雨の日にきた公園のベンチに座っていた。

今日は雨が降っていないので、公園で元気に遊ぶ子供たちの姿が見える。微笑ましい光景を前に私は重い口を開いた。
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