目に視えない私と目が見えない彼
「なんで言おうと思ったんだ?」

「私がまたいなくなったら、その……し、死にたくなっちゃうんじゃないかと」

「は?」

「…じ、自殺はだめです。私がいなくなったら、悲しいかもしれませんが、それで大切な命を自ら無くすなんて、絶対に後悔します。幽霊の私が言うんだから間違いないです。……死んだら、生きてることの大切さを痛いほど感じました。…経験談だから信憑性高いですよ」

必死に早口でまくし立てた。反応が怖くておそるおそる来衣先輩に視線を向けると、ぽかんと口を開けて固まっていた。思っていた反応じゃなくて困惑する。

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