目に視えない私と目が見えない彼


空は夕焼けと夜空が譲り合い、空の様子が1日を終えようとしていた。

田口先生の就業時間の終わりを過ぎていた。外に出ると、薄っすらと暗くなり始めた街には、灯が光り始めている。



来衣先輩との約束の時間18時に時計の針が重なる。
……私にはその場所へ行く権利なんてない。


本当は来衣先輩と話すことも禁止事項なのに、幽霊だと思われずに生きてる頃と同じように接してもらえることが、嬉しくて心地良くて・・・・・・。


私はルール違反を犯して、何度も会話をしてしまった。



今日は朝からずっと、頭の片隅には来衣先輩のことが浮かんでいた。
今も来衣先輩のことばかり考えてしまう。どうやら、頭の中から離れてはくれないようだ。

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