【SR】だるまさんが転んだ
後日渡された航空チケットに、正直戸惑いはあった俊介だったが、それを断りはしなかった。


俊介自身、このまま定年を迎える事を良しと思っていた訳ではない。


女の尻も追っかけず、ただひたすらにネタを追いかける日々。


幸せな結婚など、何時からか自然と求めなくなっていた。


今でこそ燃え尽きていたが、その道一本と歩いてきた人生には、それなりの誇りがあった。


定年が見えてるなら、最後に上げる花火はデカい方が良いに決まっている。


子供の頃に、家族で出掛けた花火大会で見た、夜空に浮かぶ大輪の花。


子供だから、それが更に大きく瞳に映っていたのだと今なら分かるが、どうせならあのくらいの花火を目指したい。


そんな思いを胸に、俊介は日本を発ったのだった。
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