【SR】だるまさんが転んだ
あの時に何かしらの情報を手に入れていたら、向けられた銃口は脅しではなかっただろう。


俊介が、未だ引き返せる状態だったからこその脅し。


だが、今の俊介に銃口を向けている人間は、ヤクザ者の脅しと同じ類ではない。


俊介に言葉が伝わらなくとも、不穏な動きを見せたら迷わず引き金を引くだろうという事が、背中に突きつけられた銃口から伝わってくる。


それを感じ取ったからこそ、俊介も必死に自己弁護したのだ。


「この国の言葉が話せるのか?」


ひりつくような喉の渇きに耐えながら、俊介は答えた。


「…少しなら。」


「この国には何を買いに来た。」


その言葉に、俊介は即座に浮かんだ疑問を脳内のメモ帳に記した。
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