隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
私高井桃は一条プリンスホテルの秘書課に勤める25歳のOL。
身長は158センチとごく普通で、細くも太くもない標準体形。
髪は生まれた時からの栗色で、肩の長さで切りそろえたストレートを一つに括っていることが多い。
顔立ちは、二重の目に小ぶりな鼻と唇。
自分では意識していないけれど、少し上がり気味の目元のせいで気が強そうな印象を持たれることが悩みの種だ。
ただお兄ちゃんに言わせれば、「お前みたいに気が強くてかわいげのない奴はいない」っていうくらいだから、気が強くみられるのは外見のせいばかりではないのかもしれない。
そして、私には公表していない出生の秘密がある。
それは、

「考え事か、随分余裕だな」
「えっ・・・キャッ」

突然感じた体を突き上げる衝撃。
いつの間にか私の両足を抱え、隼人は動き続けている。
それにつられて私の息も上がっていき、自分でも抑えることのできない声が口からこぼれる。

「あっ、ああ・・・はや・と・・お願い・・・」
「まだだよ・・・もも」

ベッドの中での隼人は普段より意地悪だ。
普段気の強い私が「お願い」だの「もう許して」だのと言うのがたまらないらしく、わざとじらしたり弱いところを責めたりしてくる。
もちろん隼人との行為自体が嫌なわけではないし、私もその中で快楽を得ている以上文句は言えないのだが、隼人に翻弄されていることに間違はいない。

「今日は泊っていけよ」
「ぅ、うん」

これはまだまだ終わらせるつもりはないから覚悟しておけよって意味で、どうやら今夜の隼人はいつも以上に燃えているらしい。
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