隠れお嬢様と敏腕上司の㊙恋愛事情
恋も仕事も前途多難
週明け月曜日。
私の予想した通り、若くて爽やかなイケメン優也さんはすぐに秘書課のお姉様たちに囲まれ人気者になった。
うちでの研修期間は2カ月間。
その間はホテルの経営や業務流れについて学ぶことになっているらしい。

「桃さん、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」

部署内での挨拶が終わった後、わざわざデスクまで来た優也さんに声をかけられ笑顔で頷いた私を見て、隼人がすごく言いにくそうに口を開いた。

「実は、高井さんにお願いがあるんだが・・・」

「何でしょうか?」
なんだかとても嫌な予感がする。

「田口君がうちにいる間だけ、社長室の専属勤務をお願いしたいんだ」
「え?」

それは、その、お兄ちゃんに付けってことだよね。

「理由を教えてください」
私は隼人をじっと見つめた。
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