10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
諒夏さんが帰ったら少し早いお昼休憩に出かけた。
今日の午後は受付の当番だ。
パスタを食べて戻ってくると加奈ちゃんが出社していた。
「お疲れ様〜」
「加奈ちゃん、今日お休みじゃなかった?」
「そうなんだけどさ、あっちゃん、夜1人、入れれないかな?」
「何時?」
「19時から、初めての予約なんだけどね、金曜の夜はフリーのお客様が多いから1人につけるスタッフがいなくて」
そっか、夜のスタッフ1人が連休とって旅行に行ってるんだっけ
「いいよ」
「ありがとう、私が受付に座るね」
今は、平日は旅館の仕事を入れていないと加奈ちゃんに言ってあるので、仕方ない。
土屋くんも仕事後ならもっと遅いだろうと思ってたし、敦美は仕事が入ったから終わったら連絡するねとLINEを入れた。
新規のお客様が帰ると加奈ちゃんが声をかけてくれた。
「お疲れ様、あっちゃん」
「うん、加奈ちゃんも休日出勤ご苦労さま」
「ううん、軌道に乗るまではこれくらい当たり前よ」
ロッカーでジムのTシャツを私服のTシャツに替えた。
うちのジムはピッチリしたタイプではなく普通のTシャツだ。
筋肉を作りたい人は激しいところで鍛えてもらって、うちのジムは健康を売りにしているから普通のTシャツで十分だ。