10年ぶりの同窓会で再会した彼は次期社長のようです
「え?何が?ごめん、もしかして潔癖症だった?人のを貰うなんてはしたない事したから」
敦美はごめんと両手を前で合わせた。
「違う……超可愛い」
「誰が?」
「下田だよ!他にいないだろ(笑)」
土屋は敦美の缶ビールを取り上げて一気に飲み干した。
「あー、なくなった」
残念そうな顔をする。
「うん、呑んだ」
「ずるいー」
「ずるいのは下田だし」
「私?全部呑んだのは土屋くんだよ?」
上目遣いに見上げた。
「そういうんじゃなくて……美人なのに、さっきみたいな笑顔見たら可愛いって思うじゃん……その上目遣いも……だからずるい」
真っ赤な顔をしながら敦美を見た。
「土屋くん、顔と耳が赤い……」
「恥ずいんだよ」
「土屋くんだって、笑顔が可愛いよ」
「それは……複雑だけど」
照れて布団に入ってしまった。
「もう、こんなの寝れないよ」
布団の中からこもった声が聞こえる。
「じゃあ、まだ呑む?」
敦美は布団をポンポンと叩く
「酔わせていいのか?酔うとどうなる?」
「多分さっきみたいに眠くなるんじゃないかとー」
「俺以外の男の前で酔ったら持ち帰りされるよ、ワインは絶対だめ」
布団から出てよーと布団を引っ張る。