スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「トルテ!」
光莉の出すサインに合わせて瀧澤が動く。ネット際に寄ってからのポーチボレーがバチっとハマる。
「ナイスボレー!」
トルテからのボレーも決まり、二人は再びハイタッチして喜びを分かち合った。
しかし、上手く行ったのはここまで。
その後の主導権を会長夫妻に握られ、結果は6-4。惜しくも負けてしまった。急造コンビなら健闘した方だ。
(う〜!残念!)
勝敗はさして重要ではないとわかっていても、悔しいものは悔しい。あれだけ練習したのに!
「いや~!良い試合だったね!ぜひまたやろう!」
「はい。ありがとうございました」
実力の拮抗した試合に安西会長はご満悦で瀧澤と握手を交わした。一応の目的は達成されたようで、ほっと一安心。