スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

「トルテ!」

 光莉の出すサインに合わせて瀧澤が動く。ネット際に寄ってからのポーチボレーがバチっとハマる。

「ナイスボレー!」

 トルテからのボレーも決まり、二人は再びハイタッチして喜びを分かち合った。
 しかし、上手く行ったのはここまで。

 その後の主導権を会長夫妻に握られ、結果は6-4。惜しくも負けてしまった。急造コンビなら健闘した方だ。

(う〜!残念!)

 勝敗はさして重要ではないとわかっていても、悔しいものは悔しい。あれだけ練習したのに!
 
「いや~!良い試合だったね!ぜひまたやろう!」
「はい。ありがとうございました」

 実力の拮抗した試合に安西会長はご満悦で瀧澤と握手を交わした。一応の目的は達成されたようで、ほっと一安心。

< 43 / 198 >

この作品をシェア

pagetop