推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
穂香がまたキョロキョロと辺りを見回す。


穂香「ねぇ?航太くん来てないよ?」


亜美「そうだね?別に来なくてもいいんだけど気になる?」


亜美が含み笑顔を見せる。


亜美の話の意味が伝わり、顔が真っ赤になってしまう穂香。


穂香「べ……別にそういうんじゃないからっ!!ホントにっ!!!本当だからねっ!!」


穂香は慌てて大声の早口で言い訳をした。


亜美「うそうそ。そんなにムキにならなくてもいいじゃーん」


女の子同士。こういう恋愛ネタでからかったりする事も多い。


ただ穂香が以前よりも気になっているのは事実であり、担任の田中先生の元へ行く。


穂香「先生。北澤くんがまだ来てないんですが……」


田中先生「家の用事があるらしくて、用事が終わり次第来るようです」


穂香は少し寂しそうな表情を見せて、亜美の元へ歩いていく。


穂香(家の用事かぁ……仕方ないか……
ってか別に来なくても亜美がいるからいいじゃんっ!!
何を心配してるんだろ?)


穂香は亜美と山を登って、山頂から見える綺麗な景色を眺めながら一緒にお弁当を食べている姿を想像してみた。


穂香(充分楽しいじゃん。いい思い出になるといいな?)


こうして生徒達は学校のグランドから山へ向かった。



(朝の集合時間。学校のグランド。終了)





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