推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
○7月初旬の日曜日。亜美と遊びに来た繁華街。


青空が広がる暑い夏の日曜日。

穂香と亜美は日曜日の人が溢れ返った繁華街に遊びに来ていた。

ネットで見つけた可愛いキャラクターのランチの写真を、ネットに上げたい亜美の要望だ。

二人で並んで歩きながらカフェに向かう途中の、ウインドウショッピングで盛り上がる。


亜美「このお店の服可愛いねー?これなんて穂香に似合うんじゃない?」


穂香「ちょっと派手すぎないかな?こっちのバッグ可愛くない?」


ショーケースや店頭に並んだ服を見たり鞄を見たり、二人の話は尽きない。


カフェに到着すると、熊の可愛いキャラクターになっている料理を撮影したり、二人で記念撮影したり。

ランチが終われば定番のカラオケ。

カラオケボックスの入ったビルに向かう途中で、穂香の目にビルの看板が目に止まった。


ウィズプロダクション。


穂香(ここってK様の事務所だよね……?ここにいるとK様に会えるのかな……?)



(亜美と遊びに来た繁華街。終了)



○K様の所属事務所の前。


穂香はビルの看板を見ながら入り口で立ち止まる。


穂香「亜美っ。ちょっと待って。ここK様が所属してる事務所なんだよ?」


亜美「へぇ。穂香の好きな歌い手の……動画配信者って事務所に入ってるんだ?
一人で撮影して編集してネットに流してると思っていた」


動画配信者に興味のない人のイメージはこんなもの。


穂香はそんな亜美に身ぶり手振りを交えて得意気に説明する。


穂香「人気が出るまでは一人で全部するけど、人気が出てくると事務所にスカウトされる事もあるんだよ?
スタッフの人がレコーディングのスタジオを用意してくれたり、編集や撮影もしてくれるんだって」


亜美「ふーん。じゃあこのビルの中にK様がいる可能性があるってこと?」


亜美の質問に少し困惑する穂香。


穂香「うーん……わかんない……」


穂香もネットの噂程度しか、歌い手の行動を把握していないのだ。

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