推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~


二人がそんな事をしている頃、先生はこんな話をしていた。


田中先生「新入生歓迎会で、上級生からも出し物として、合唱をプレゼントしてくれます。だから1年生も1週間で仕上げてもらいます。
もう中学生じゃないので、しっかり練習して素晴らしい歌を披露しましょう」


教室が地鳴りするほど、「えーっ!!」という声が響く。

上級生だって歌のプレゼントなんてしたくないし、されたくもないだろう。

学校の行事はよくわかないものも多くて、先生に対して愚痴を言う生徒達。




穂香は生徒達の悲鳴に近い声に驚き、何で驚いているのかわからなかった。
隣にいる独り言男子に気を取られていたせいだ。


隣の席の男「合唱?いただきまぁす……」


穂香(合掌と間違ってるし……。
ってか、迷惑すぎっ!!)


穂香はもう一度注意してみる。


穂香「ねぇ……?うるさいよ?本当に怒るよ?」


隣の席の男「怒ったら腹へるじゃん……はぁ……」


また独り言を言っている男子に怒りを覚え、穂香は机を叩いて怒った。


バーーーンッ!!


穂香「いい加減にしてもらえますかっ!!あなたの独り言のせいで、先生の話が聞こえなかったじゃないですかっ!!」


クラス全員が何事か?と怒鳴ってしまった穂香に視線が向く中で、机に屈していた男子が体を起こす。

そして可愛らしくて綺麗な顔の男子が、眠そうな顔で穂香を見た。









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