推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
○妖精の庭やアトラクションが並ぶ通路


妖精の人形が飾られている広場や花壇、アトラクションが並ぶ道。
終業式とはいえ、平日の昼間の人影は疎らだ。


並んで歩いていると、航太がまたボソッと呟く。

航太「 はぁ……お化け屋敷で、穂香ちゃんと手を繋ぎたいなぁ……お化け屋敷がいいなぁ……」


思わず赤面した穂香が航太の肩を叩く。


穂香「思ってる事が、声に出すぎだってっ!?」


穂香が恥ずかしそうに俯くと、小さく呟く。


穂香「別に……手を繋いでもいいけど………。お化け屋敷にする?」


すると航太は嬉しそうにはしゃぐ。


航太「本当にいいのっ!?お化け屋敷はこっちだってーっ!!やったぁっ!!お化けやーしーきっ!!」


穂香は大喜びする航太にツッコミを入れる。


穂香「ちょっとっ!!はしゃぎすぎだってっ!!恥ずかしいよっ」


そんな事を言いながら、穂香も少し嬉しそうな表情を見せていた。


(妖精の庭やアトラクションが並ぶ通路。終了)



○お化け屋敷の入り口。順番待ちの時間。


お化け屋敷の前には15人ほど親子やカップルが並んでいて、順番待ちをしている二人。


穂香は航太の隣でお化け屋敷の中での妄想を楽しんでいた。



○穂香のお化け屋敷の妄想。


航太くんと手を繋いで、暗い道を歩いて行くんだよね……。

お化けが出てきたら、航太くんの腕とか背中辺りのシャツをギュって掴んで


穂香「怖いよぉ」


って言ったら、航太くんが、包み込むように抱き締めてくれて……。



航太「穂香ちゃん。怖くないよ?俺が先に歩いてあげるね?」


とか言って航太くんの背中の後ろを隠れるようにして歩くんだよね……?


えーっと……それからっ!!それからっ!!


出口辺りになったら、後ろからギュって航太くんが抱き締めてくれて


航太「怖がってる穂香ちゃんも可愛かったね?」


とか言ってくれるのーーっ!?

楽しみすぎるんだがーーーっ!!


(穂香のお化け屋敷の妄想。終了)

(お化け屋敷の入り口。順番待ちの時間。終了)

(第8章~初デート~前編。終了)

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