推しの歌い手さま~想像してたのと違うんだが…~
そんな事を一人で考えてる穂香を見ながら、眠そうに目を擦って航太が呟いた。


航太「隣の席の女の子は穂香ちゃんっていうんだ……。ほーん……」


穂香(ほーんって何やねん!!
ふーんじゃないの??
ってか、私の名前を気安く呼ばないでーっ!!)


心の中でツッコミながらパニックになりそうな穂香に、航太が気だるそうまま手を差し出して握手を求めてきた。


航太「よろしく。手は綺麗だと思うから大丈夫だよ」


穂香「えっ……?」


この瞬間だけ切り取れば、キラキラしたイケメンが手を差し出してるように見えて、穂香の頬が一瞬赤くなるが、そんな気持ちも数秒で吹き飛んだ。


穂香(ちがーーーうっ!!
私は独り言王子に何を意識しちゃってるのーーーっ!!)


手を差し出すことなく、床に転がった消しゴムを慌てて拾って、先生の方に顔を向ける穂香。

すると先生が穂香を見て言った。


田中先生「嶋村さん。静かにしてください」


穂香「はい。すいません」


穂香はしょんぼりとした様子で俯く。


穂香(コイツのせいで私が怒られたじゃん……)


こんな航太の隣の席になり、これから新しい学校生活が、憂鬱な日々になってしまうのか?と不安な穂香だった。



(初めてのホームルーム。終業式後の教室。終了)




○入学式の日の夜。穂香の部屋





寝る前の穂香の日課は自分の部屋のベッドに寝転がって、スマホでK様のSNSを見ること。


穂香「今日は変な人に会ったな……」


人気配信者のSNSでコメントを書き込んでも返事などない。

それでも日記のように、K様のSNSに書き込みをするのが1つの楽しみになっている穂香。


SNSのコメント【今日は入学式でした。独り言を言う変な男子と出会いました。
そのせいで先生に怒られたのでブルーです。
K様の歌を聞いて元気出しますね~】


当然返事などないが、幸せそうに笑顔でスマホを見つめる。
自己満足の世界を生きる穂香だった。





(第1章~出会い~終わり)
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