婚約破棄されたらエリート御曹司の義弟に娶られました。

13.彼のいない日々



皇輝が福岡に出張へ行ってしまった。


「はあ……またきてないし」


出張へ行ってから皇輝からのメッセージがほぼない。
朝「おはよう」だけあって、その後は一切既読がつかない。

夜遅くに「今ホテル着いた」と返信があったり、「寝落ちた」と朝にきていたり。

そもそも皇輝は連絡がマメな方ではない。
ただの姉弟だった頃は本当に用事がある時しか連絡していなかった。

でもさ、今は違くない?

今は仮とはいえ夫婦なんだし――、もうちょっと何かないの?

向こうで忙しくしてるんだと思うけど、もう少し連絡して欲しい。
声だって聞きたいのに……。


「リーダー、そろそろミーティングですよ」

「あっ!今行く」


ああもう!皇輝なんて知らない!

今は仕事に集中!!

別に寂しくなんかないんだからっ!


会議室に入る直前、スマホにメッセージが届いた。

もしかして皇輝!?と思いながら画面を見たら、表示されていた名前は「岸くん」。

ああ、そうだ……。
岸くんとはあのまま解散しちゃったんだった。

ミーティングが始まるのでメッセージの内容は後で確認することにして、頭をしっかりと切り替える。


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