チカ先輩のお気に入り。
やっぱりムカつく




あれから土日挟んで月曜日。

朝学校に行ってみると手紙は入ってなかった。
視線を感じることもなくなり、安心して息を吐く。


「雪桜が無事でよかったよ」

「本当にありがとう二人とも」

「知佳先輩とか、めっちゃ焦って走ってったんだからね」

「……うん」


二人から改めてその状況を聞くと、本当に走ってきてくれたんだなあと嬉しい気持ちになる。


「おかげで知佳先輩と夏目先輩の前で醜態晒しちゃったけど」

「……呼び出し=カツアゲだと思ってんのか」

「本当だよ。チカ先輩に聞いた時笑いそうになったよ」


まやちゃんったら……。
私たちの目線にグサッと刺されるような動きをするまやちゃんに苦笑い。


「まあ!私の話はこれぐらいにしてさ!」

「はいはい」

「…雪桜って結構大切にされてるんだね」

「……っは!?」


ニヤニヤして聞いてきた二人に、思わずかああっと顔が赤くなってしまう。



< 109 / 303 >

この作品をシェア

pagetop