チカ先輩のお気に入り。
ドキドキさせないで




「おはよう雪桜ちゃん」

「あ、おはようございます」


土日を挟んで今日からついにテストが始まる。
朝電車に乗ると、いつものようにチカ先輩が立っていて。


「テスト大丈夫そう?」

「はい、おかげさまで」

「ならよかった」


ニコッと笑ったチカ先輩が朝から眩しすぎて心臓に悪い。
いつも思うけど、電車乗ってると周りの他校の女の子がずっとチカ先輩見てるんだよね。
朝からモテモテだな……なんて。


「今日からテスト終わりまで一緒に帰れないね」

「そうなんですか?」

「うん、一年と二年だと教科数も違うから終わる時間一緒じゃないんだよね」


じゃあ私今日から帰り一人かあ……、少し寂しいかも……。
…って。何ガッカリしてんの私……っ!
寂しいってなによ……っ!

そんな変な思考にブンブンと頭を振る。


でもそうだよね。私は今日二教科で帰れるけど、チカ先輩は二年生だから私とは違うだろうし。




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