異世界に転生したら溺愛ロマンスが待っていました! 黒髪&黒目というだけで? 皇太子も騎士もみんなこの世界"好き"のハードル低すぎませんか? ~これサダシリーズ1【これぞ我がサダメ】~

第2話 ただお礼を言っただけなのに……。

 


 ていうか、締め殺し!?

 くるしい、くるしいっ!


 「殿下、無茶はおやめください! このような華奢なお体です、壊れてしまいます!」


 アデル団長が間にはいってくれて、ようやく息ができた。


 「む、そうか。すまなかったな、カワ……なんだ妙な名だな。カワイサ……ダメといったか?」


 うぐっ、そこで区切ったな……。


 この名前のせいで小さいころからどれだけからかわれたことか……。

 お前の可愛さ、ダメ~!

 かわいさのレベルゼロ~!

 女のくせに可愛さゼロパー!

 ……しつこい男子に幼稚園から中学校までずっとからかわれた。

 並び替えたら、わいメダカさ、だってまたからかわれて。

 今時自分のことを、わい呼びする人なんているわけないのに。

 わいメダカさ、と言え、メダカ自己紹介しろと、何度強要されたことか……。

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