叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

 祖母からの雷の直後、その娘にも雷を落とされた。
 正直びっくりした。そして初めてしっかり彼女の目を見た。叱られているから見る事が出来たのかもしれない。

 彼女はお見合いのというより、知り合いか友人となるために来たと言っていた。
 そして、彼女も俺に全く興味がないようだった。

 そのことに安心しつつも、少し悔しい気持ちになったのは何故だろう。
 名前を教えてくれと言うと自分で調べろとまた怒られた。

 何故か、ふくれ面の彼女を見ていたら面白くなってきた。
 興味が出て、祖母に帰って来るなり釣書はないかと聞いたら、ないと言う。

 「おばあさま。すみません、彼女のフルネームをもう一度教えてください」

 「……は?玖生あなたって子は全く、育て方を間違えましたね」

 「おばあさま。いくらでも謝ります。彼女にも怒られました。それで名前を教えてくれと言ったら、自分で調べろと言われたんです」
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